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【VG2020】〈INITIATIVES-COEUR〉Sam Davies

ヴァンデグローブ(VendéeGlobe 2020-2021)参加艇紹介。
〈INITIATIVES-COEUR〉のSamantha Daviesは46歳の英国人。ですが、今回出場している〈PURE-BEST WESTERN〉のRomain Attanasio(43歳♂仏)と御夫婦で、フランスに住んでいるもよう。

© Maxime Horlaville / Polaryse、© Eloi Stichelbaut / Polaryse

子供が大きくなったので、夫婦でレースに復帰した。……って、1人乗りの世界一周レースに別々に出るか? なんかスケールの違う御夫婦です。

男女同権

このレース、男女の区別がありません。
「ヴァンデグローブ 2000-2001」では、当時24歳だった英国女性Ellen MacArthur(エレン・マッカーサー)が2位になっています。このときの優勝はあの重鎮、Michel Desjoyeauxですから。遅れること1時間でのフィニッシュはすごい。
Ellen MacArthurはその後、2005年に1人乗り世界一周のスピード記録も打ち立てています。 “女性として” の記録ではなく、性別無関係の1人乗り世界記録です。霊長類最速ということになるか。

で、こちら、Samantha Daviesは「ヴァンデグローブ 2008-2009」で4位と記録されています。
実際は3番目にフィニッシュしたのですが、4番手として48時間40分後にフィニッシュしたMarc Guillemot〈Safran〉が、南氷洋で遭難した〈Generali〉のYann Elièsを救助するために失った50時間の救済を認められ、逆転3位に。また、同じ救助作業でヨットを壊しリタイアとなった〈PRB〉Vincent Riouがやはり救済で3位になってます。つまり3位が2人の4位ってことか。
と、ちょっとミソがついたかたちにはなりましたが、このときの優勝がやはりMichel Desjoyeauxで、2位のArmel Le Cléac’hに次いで3着フィニッシュですから、これもすごい。紅白歌合戦でいえば、北島三郎、五木ひろし、八代亜紀って感じ。

続く「2012-2013」は〈Savéol〉で出場も、スタート5日後にディスマストでリタイア。残念。

これでめげずに、フルクルー帰港型の世界一周レース「Volvo Ocean Race(ボルボオーシャンレース)2014-2015」には全員女性からなる〈Team SCA〉のスキッパーとして出場。第8レグでは優勝してます。

とはいえ、フルクルーの「ボルボオーシャンレース」ではやはり全員女性だとかなり差がでてしまうので、「ボルボオーシャンレース 2017-2018」からは、男女混合になりました。男7人+女2人とか。1艇に男女が乗り込むスタイル。

国際セーリング連盟(WS:World Sailing)では、セーリング競技人口の男女比を1:1にしようという目標があり、オリンピック種目でも、男女別の種目とは別に男女ペアで乗る種目も増やしています。

そんな中「ヴァンデグローブ」では女性クラスは設けず。男女関係無しの着順勝負。女性部門の優勝なんてチンケな賞はいらない、と。北島三郎と八代亜紀、どっちが大トリをつとめるか、って話なわけで。
今回のエントリー33艇中6人が女性です。その中の、筆頭株がこちらSamantha Davies。夫婦別々に出ているってのが、やっぱすごいよなぁ。

チーム名が難しいので

〈INITIATIVES-COEUR〉はイニシアチブスス・クール……でいいのか?
下の動画で参加全艇を紹介している赤ジャンのお兄さんは「インセプティクェ」みたいに発音してます。この赤ジャン、〈INITIATIVES-COEUR〉チームの人みたいなんで。それに倣うべきか。

Visite guidée des pontons du Vendée Globe

INITIATIVES-COEUR自体は、ボランティア組織みたいですね。

Initiatives-Cœur defies the oceans to save children
The Initiatives-Cœur boat travels the ocean wide to save children with heart diseases.

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うーむ、〈INITIATIVES-COEUR〉はカタカナ化しずらいので、レース中の実況では、サマンサ・デービスでいこうと思います。すごい有名な人みたいで、サム(Sam)といえばこの人を指すもよう。

低いマストは有利なのか

その〈INITIATIVES-COEUR〉。艇は、VPLP-Verdierデザインで2010進水。
オリジナルは、「ヴァンデグローブ 2008-2009」に〈Foncia〉で優勝した重鎮Michel Desjoyeauxが、レース後に建造した〈Foncia 2〉。どこかで「〈Foncia 2〉で優勝」って書いてしまいましたが、あれは間違い。〈Foncia 2〉はすぐに〈Banque Populaire〉となってArmel Le Cléac’hが乗り「ヴァンデグローブ2012-2013」で3位。さらに「2016-2017」では、〈Maître CoQ §〉となって Jérémie Beyouが高木ブー伝説(3位)を達成。と、血統書付きの名艇です。

それだけ古いということですが、今回の「ヴァンデグローブ2020-2021」に向けて大改造。2020バージョンの大きなフォイルをつけてます。もうフォイルというより、羽根って感じ。飛行機の翼。
で、上の動画の赤ジャンの話では、一番の違いは他艇よりマストが1m短いことだそうな。フランス語でフォアンフォアン言ってますが、英語に自動翻訳するとだいたい解ります。

なぜ短くしたか、
どうせリーフして走るんでしょってことで、マストが短い分キールが軽くて済むし。空気抵抗も少ないし。という理屈のようです。
エントリーシートのデータでは、「Mast height: 29m」と、他艇と変わらないんですけど。チームの赤ジャンが言ってるんだから、確かでしょう。

で、改造の結果はどうか、というと、これも7月の「Vendée-Arctique レース」では、後半ググーっと伸びて、堂々の4位に入ってます。ボートスピードにぬかりなし。いくぞ、サム。

コクピットの形状を見ると、やっぱ古い設計だなって思いますね。まるまるむき出し。
ただ、屋根の部分が後ろにスライドするもよう。
で、前回は、この巨大なトラベラートラックがトラブって、南氷洋の島影でメインセールを降ろして修理した、なんて事件もありました。

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