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スタート2日後 混戦模様

「ヴァンデグローブ(VendéeGlobe 2020-2021)」世界一周レースは、11月8日のスタートから2日と9時間が経過。
艇団はビスケー湾を出、大きく左右に広がって大西洋を南西方向に進んでいます。

この図の赤い点線(下の方)がだいたいのコースになります。

スタート直後は穏やかな南風を受け、スペインの北西端 Cabo Vilánを目指してのリーチング。ここでは単純なスピード競争となり、やはりフォイル(水中翼)を装備した新艇が前に出ます。

風は予想通り南から右に振れ、真上りになりますが、艇速で劣る後続艇団はより南寄りの風の中を走ることができ、タックを返す頃には位置的に先頭艇団に追いついています。

こちらは前回(2016-2017)の、スタート23時間後の各艇位置です。

北寄りの風を受けてのリーチングが続き、艇団は艇速順にほぼ縦一直線になっています。

一方今回は、ここから真上りになったため、艇団は大きく左右に広がって混戦状態になっています。

この後、艇団が大西洋に出るタイミングで、風は再び南に振れ現在(一番上の図)の状況になったわけで。予報でも今後南の強風が続くもよう。

これは、第7世代までの旧型艇、つまり、カンティングキール+ダガーボードを装備した艇に有利な状況かと思われます。

ダガーボード艇の出番です

カンティングキール艇が出てきた頃の「ボルボ・オーシャンレース」の取材で、〈プーマ〉のスキッパー、ケンリードは、僕に会うなり、
「このフネ、リーウエイが無いんだぜ。」
と言いました。会うなり、最初の一言がこれですよ。

どういうことか。
カンティングキールとは、バラストバルブが付いたキールストラットを風上側に傾けることでより大きな復原力を持たせるものです。
逆にいえば、その分バラストは軽くて済むということ。軽いバラストの割りに大きなセールを展開できるということ。革新的なアイデアでした。

ところが、キールストラット──つまりバルブを釣り下げる板の部分は、ヨットを風上に押し上げる水中の翼の役割も持っています。これを傾かせてしまうと翼としての用を成さなくなってしまいます。
そこで、別に左右2対のダガーボードを装備し翼の役にあてました。

上の写真は、今回の参加艇、Jean LE Camの〈YES WE CAM!〉。2007年進水のカンティングキール+ダガーボード艇です。
水中で黄色く見えているT字型のものが、風上側に傾けたカンティングキール。先端に砲弾のような重りがあり、それを細長い板で支えています。
デッキ上に白いダガーボードが見えます。風下側にも同じものがあって、そちらは全部降ろして水中にあります。
ダガーボードの断面は左右非対称の翼型をしており、これで大きな横向きの揚力を得ることができるというわけ。

第8世代のIMOCAからは、これが横向きになってヨットを浮かせるフォイル(水中翼)になったわけで。ダウンウインドでは爆発的なスピードを得るものの、アップウインドでの能力はダガーボードにはかなわないはずです。

最新の第9世代のフォイルは、よりアップウインド性能を求めた形にしているとも言われていますが、さてどうなるか。この後2日~3日の走りが見物です。

続き「hookって何ですか?」は→こちら
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