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ヴァンデグローブ 〈APIVIA〉もトラブル

トップ艇にもトラブルが

無傷の新艇〈APIVIA〉を追うワケあり〈LinkedOut〉という展開がずっと続いていましたが、12月14日 、〈APIVIA〉のポート側フォイルシステムにダメージ、というニュースが流れます。

1800(UTC)頃ということで、東経130度付近にいるので夜中3時頃ですかね。
大きな音がしたので、艇速を落としてみると、左舷側のフォイルシステムにダメージがあった。

discovering damage to his port foil system. Dalin called his technical team immediately. On first inspection, the APIVIA skipper noticed that the port foil system was damaged. He did not report any water ingress. He and his team are reviewing the level of damage and repair options.

https://www.vendeeglobe.org/en/news/21034/damage-to-port-foil-system-on-leader-apivia

浸水は無いということですが、foil system ということはフォイルそのものではなく、船体側の受けのことか。

当時、当該海域は南西の風で、つまりスターボードタックで。この後風は後ろから北に回るようなので、ポートタックになったところで、風上側になったポート側に手を入れられそうです。

風は弱まりそうですが、〈Maître CoQ IV〉、〈LinkedOut〉が一足先に南緯50度(Furious Fifties)に突入しそうです。the Cinquantièmes hurlantsともいうみたいです。

〈L’OCCITANE EN PROVENCE〉が元気です

12月7日夜にアップされた、「Vendée Live #30 [EN]」では、アルメル・トリポン()の乗る〈L’OCCITANE EN PROVENCE〉のデザイナー、サム・マヌアードがゲスト出演し、フォイル艇の設計についていくつか質問に答えています。

フォイルは復原力を高めて艇速を上げるためのもの、と、ヨットを浮かせるということはいっさい言ってませんね。
フォイルで復原力が50%増になる。……ってことは単なるカンティングキールの150%になるってことか。
復原力が大きくなれば、それだけ大きなセールを揚げて走れるわけで。
特にリーチングでは、大きなフォイルは大きなエンジンを積んでいるのと同じ。で、その分、リグや船体に大きなロードがかかる、と。

-波の影響は?
波は高さより傾斜。長い周期の高い波は問題無い。周期の短い斜面が急な波がヤバイ。寒冷前線の波とか。
まあ、このあたりは普通に言われることですが、そのため強風時はフォイルを収納してパワーを抑えることができる構造が重要なんですよ……テナコトを、眉毛をなびかせながら控えめに語っています。

確かに、〈L’OCCITANE EN PROVENCE〉(左上)のフォイルだけ、かなり高い位置から出ています。根元の形から想像するに、フォイルを引き込むと先端は跳ね上がり、完全に海面から出そう。
他艇はへたすると、フォイルの出口が喫水ギリギリですよね。

コクピットの形状も、周りを囲われてはいるものの視界は360度、って確かに。

今、下位の方でしっかり走っているピップ・ヘアー(46歳/女性/イギリス)の〈MEDALLIA〉なんか船齢20年でまだ現役で元気に走っているけど、〈L’OCCITANE EN PROVENCE〉は20年後もレース艇として使えますか? というイジワルな質問にも、「いやー、今のレーサーは全く別物なんで……」と控えめに答えています。

とはいえ、彼がデザインした〈L’OCCITANE EN PROVENCE〉は、最新世代艇の中で唯一無傷。
いや、スタート3日目にハリヤードフックのトラブルで後退したため、今はこの位置にいますが、これはボートデザイナーの責任では無いし。

とにかく、乗っているトリポンさんがまたこれユニークな方で。

これですから。
他にも、「目玉焼きとカレー」とか。食生活も他のセーラーとはひと味違うもよう。

現在、艇団の真ん中からちょい前。先行艇団に追いつきそうな勢いです。

2020/12/16 1030(JST)追記 ———-

左舷側のフォイルシステムにダメージという〈APIVIA〉ですが、だいぶ遅れてはしまいましたが、再びスピードアップして走っています。
スターボードタックだと思うので、問題のポート側のフォイルを使っているはずで。

修理部位は、

the low hold of the port foil

https://www.vendeeglobe.org/fr/actualites/21056/l-indien-fait-changer-de-tete

とのことですが、船体側のフォイル取付部のことだと思います。
まだ完全に直せたわけでもないもよう。

で、問題は、コージローの〈DMG MORI GLOBAL ONE〉。動きがおかしいです。
風はさほど強くないはずなのですが……。よけい心配。

12:17(JST) ———————————-
と思ったら、単にメインセールを降ろしてバテンを直しただけみたい。

Onboard video – Kojiro SHIRAISHI | DMG MORI GLOBAL ONE – 15.12

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