年の瀬です。大晦日です。
明日は元旦にもかかわらず、『舵オンライン』のヴァンデグローブ記事を更新せよという命があり、「マジで?」と返すと担当のアンドーは「とーぜん」と答える。
そういえば、昨年の年末年始も、「日本-パラオ親善ヨットレース」のホームページのデイリーレポートで年末年始返上だったっけ。あれもアンドーとだ。
ということで、何を書けばいいのか、思案六法。
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とりあえず、こちらアップデートには現在の上位陣(かなり固まってきた)を改めてご紹介しつつ頭を整理し、皆さまにはお正月もヴァンデグローブ観戦 on webをお楽しみいただこうかと思います。
ということで、2020年12月31日(日本時間)の順位は。
<1位>〈Maître CoQ IV〉
苦労人、ヤニック・ベスタ:Yannick Bestaven(47歳/男性/フランス)の〈Maître CoQ IV〉。
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初出場の「ヴァンデグローブ 2008-2009」では、スタート4日めにしてディスマスト→リタイア、という惨めな経験をし、そこから遠回りに経験を積み、これが2度目のヴァンデグローブ。
2015年進水のフォイラーとしては旧世代艇ですが、今回は最新世代艇がトラブルによる後退やリタイアで戦列を離れるという、言ってみれば大きなチャンスを確実にモノにし、順調にトップをキープしています。これも実力のうち。おまけに、10時間15分の救済時間もあり。
カラーは永谷園。
<2位>〈APIVIA〉
理系の優等生、シャルリー・ダラン:Charlie Dalin(36歳/男性/フランス)の〈APIVIA〉。
![](https://worry-journal.com/wp-content/uploads/2020/12/vg2020-20201230-dalin-photo3455b-low-resolution-vi-1024x767.jpeg)
自らもヨットのデザインを手がけるというこの人。他の最新世代艇のトラブル状況を元に、自艇の強度を測っているのではないかと思えるような慎重な走りで、ここまでノートラブル。ずっと上位をキープしています。知的な走りといったらいいか。マジメそう。カラーは黄黒白。
<3位>〈GROUPE APICIL〉
片腕のメダリスト、ダミヤン・セギャン:Damien Seguin(41歳/男性/フランス)の〈GROUPE APICIL〉。
![](https://worry-journal.com/wp-content/uploads/2020/12/vg2020-20201224-seguin-photo3265b-low-resolution-vi-1024x767.jpg)
片腕というか手首から先が無いようですが、片手ではもやい結び一つとっても大変そうなんだけど。艇も2008年進水のノンフォイル艇で。今堂々の3位って。ちょっと想像がつきません。いやいや、ほんとにこの人、すごいんじゃない? 明るく朗らかに笑っているけど。やっぱ、すごいとしか言いようがない。
カラーは赤。
<4位>〈LinkedOut〉
不屈の挑戦者、トマ・ルイヤン:Thomas Ruyant(39歳/男性/フランス)の〈LinkedOut〉。
![](https://worry-journal.com/wp-content/uploads/2020/12/vg2020-20201220-ruyant-photo3156b-low-resolution-vi-1024x767.jpeg)
前回(2016-2017)のリタイアも、リタイア大賞を貰っても良いんじゃないかというくらいのヤバイ状態で。しかし沈没寸前ながら自力でニュージーランドまでたどりついたわけで。今回は左舷フォイル根元の損傷で、先端2mほどを切り落とした応急措置状態での不屈の熱走。「手負いの狼」といったらいいか。なんか、送られてくる写真の表情はみな、悲壮感が漂っているんですよね。
カラーは水色。
© Thomas Rettant / LinkedOut
<5位>〈OMIA – WATER FAMILY〉
無名の新人、バンジャマン・デュトル:Benjamin Dutreux(30歳/男性/フランス)の〈OMIA – WATER FAMILY〉。
![](https://worry-journal.com/wp-content/uploads/2020/12/vg2020-20201229-dutreux-photo3448b-low-resolution-vi-1024x767.jpg)
初出場で低予算。仲間に支えられてのとりあえずの出場か……と思いきや、レース序盤からずっと上位に付けています。艇は2007年進水の元〈Spirit of Yukoh〉。もちろんノンフォイル。12月26日にヘッドセールのトラブルで修理のために順位を下げていましたが、難なくここまで上げてきているのがすごい。
カラーは黒赤青。
<6位>〈YES WE CAM!〉
Mr.ヴァンデグローブ、ジャン・ルカム:Jean Le Cam(61歳/男性/フランス)の〈YES WE CAM!〉。
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ジジイを舐めんなよ。……とご本人はおっしゃっていませんが。逆にニコニコ淡々と走り続けるミスターです。いや、フランス人だからムッシュか? いや、ムッシュって感じではないよなぁ。ケビン・エスコフィエを救助した後に無線でしゃべる姿は、マグロ船の船頭のようでした。
救済時間は16時間15分。
カラーは白。
<7位>〈SEAEXPLORER – YACHT CLUB DE MONACO〉
ドイツの貴公子、ボリス・ハーマン:Boris Herrmann(39歳/男性/ドイツ)の〈SEAEXPLORER – YACHT CLUB DE MONACO〉。
![](https://worry-journal.com/wp-content/uploads/2020/12/vg2020-20201225-herrmann-photo3441b-low-resolution-vi-1024x767.jpg)
英語が得意なせいか、英語版のYuTube番組『Vendée Live』に良く登場します。育ちの良さが会話にもにじみ出る感じ。艇のトラブルは様々かかえているようですが、焦ることなく上位をキープしています。追走集団の中では艇のポテンシャルは高そうだし。
カラーはグレー。
<8位>〈MACSF〉
イザベル・ヨシュク:Isabelle Joschke(43歳/女性/フランス、ドイツ)の〈MACSF〉。
![](https://worry-journal.com/wp-content/uploads/2020/12/vg2020-20201224-joschke-photo3301b-low-resolution-vi-1024x767.jpg)
すいません。まだ紹介記事書いていませんでした。この後書きます。
サマンサ・デイビーズがリタイアしたとき、「後は任せた」と言っていたのがこちらイザベル・ヨシュク。ヴァンデグローブは初出場ですが、伝統の〈MACSF〉チームが選んだ女性セーラーですから。
なんか、映画『極道の妻たち』でいうなら、岩下志麻に「後は頼んだでぇ」と言われたかたせ梨乃って感じか。(あくまでもイメージです)
と、こちら『Worry Journal』では、東スポ的にまとめてみました。
明日の『舵オンライン』はウォール・ストリート・ジャーナル的にまとめます。
両方読んでください。
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